秘密な私の愛しき人
私は勇気を振り絞って中に入った。



中には強張った顔をした校長先生がいた。



こんなに近くで見たの初めてかも。



「伊沢さん」


校長の低い声が聞こえた。



「今日、こんなものが私宛てに届きました」


そう言いながら校長は何かを前に突き出した。



「えっ…?」



その瞬間、私はそれを見て固まった。




時間が、空間が止まった気がした--



そこにあったのは…















私と琉ちゃんの一緒にマンションに入っていく写真と



『伊沢 穂樺は風内 琉と結婚している』




というパソコンで打たれた文面だった。



「これは…真実なのか?」



どうしよう…


とうとう琉ちゃんの存在もバレてしまった…?



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