秘密な私の愛しき人
私には周りの音が入ってこないぐらい焦っていた。




「---伊沢?」



横から担任の声がしてハッとした。



「えっと…」



嘘つかなきゃと思って顔をあげたが…その瞬間、何故か琉ちゃんの顔が思い浮かんだ。



そして泣きそうになった。



もう…駄目だよ。



ぐっと涙をこらえて、ある覚悟した。
















「はい。真実です--」















まっすぐ校長の目を見て言った。



もう、周りに嘘をつき続ける日々は疲れた。


ごめんね…琉ちゃん…




「本当なのか?!」



案の定、先生は驚いている。



そりゃあそうだよね。


こんな年で結婚しているなんて…



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