秘密な私の愛しき人
美佳には簡単に説明した。



泣きそうな顔のまま「頑張って」と言ってくれた。



また…私は人を悲しませてしまった…



「穂樺!」



気付いたら琉ちゃんが車に乗って来てくれた。



私は助手席に乗り込んだ。



「……」



車の中の空気はドーンと重たい。



お互いに話そうとしない。



「…今回のことだけど、やっぱ穂樺の両親には話したほうがいいよな」



琉ちゃんの重たい口が開いた。



「……」



何か言わなきゃいけないのに何も言えない。



ただ…涙が1つ1つ流れた。



「ごめんなさい…」


小さくなった声だったけどなんとか私も口を開いた。



「せっかく、ここまで…頑張ってきたのに--私ッ!」



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