秘密な私の愛しき人
「なんだよ、それ」


と言って洸は立ち上がった。



「カッコイイこと言い過ぎだろ、兄貴は」



そうしてクルッと俺のほうを見た。



「絶対、穂樺を大切にしろよ。泣かしたら、ただじゃおかねー」


少し笑って拳を俺のほうに出した。



「わかってる」



俺も笑って当てた。




兄弟。


そして同じ人を好きになったライバル。



あの頃は気まずくなって顔を合わせる機会が少なくなったが今は心強く感じる。



「じゃあな。またなんかあったら連絡くれよな」



そう言って洸はどこかに行った。












学校の状況は思ったよりも良かった。



あとは“処分内容”か…



俺は河原に映る夕陽をじっと見つめていた。






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