秘密な私の愛しき人
なんでここにいるの…?



「穂~樺!」


美佳が私の側に来た。



「やるね、琉さん。
行っておいでよ。やっと会えたんだから」


そう言って美佳は私の背中をポンッと押した。



私は駆け足で琉ちゃんの側に行こうとしたら



「ストップ!」



校門を超える前で止められた。



「穂樺。校門を通ったら穂樺は高校生じゃなくなる。
それでもいいなら…超えて」



そんなの…決まっている。



「琉ちゃんッ!」


私は、ためらわず校門の外にいた琉ちゃんに抱きついた。



数週間ぶりの琉ちゃんの匂い。



「ずっと…会いたかった…」



また涙が出てきた。



でも、これは卒業式のものとは違う。



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