秘密な私の愛しき人
私は琉ちゃんに促されて車を降りてみた。













「えっ……?」












私の体が固まった。



私の目に映ったのは――











「教会…?」











琉ちゃんが車を止めた場所は教会の前だった。



しかもこの教会……

結婚当時に「ここで挙げたいね」って言ってた場所。




「穂樺。覚えてる?この教会」



琉ちゃんの優しい問いに私は声が出なくて縦に首を振った。



「もしかして…覚えてくれてたの?」



私ですら忘れかけていたのに…



琉ちゃんはフッと笑った。


「穂樺がいいなって言ったもんを忘れるわけないじゃん」



ズルイよ… そんなの…



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