秘密な私の愛しき人
「…やっと返してくれるんだ」

琉ちゃんは鍵を受け取った。


私はただボーッと見ることしか出来ない。



「それじゃ」


そう言って琉ちゃんが玄関に入ろうとしたら


「待って!!琉!」


小実さんが琉ちゃんの腕をもった。



「ねぇ…、私達、もう一度やり直せないかしら…?」



ッ!!


小実さんは琉ちゃんをじっと見つめている。



やっぱり…この2人は、付き合ってたんだ。そして小実さんは今でも琉ちゃんが好きなんだ…

私の頭の中は混乱した。



「小実。悪いけど俺は…」
「お願い!!」


琉ちゃんの言葉を遮って強く小実さんは言った。

腕もギュッと握られている。



私の心もギュッと痛くなった。

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