秘密な私の愛しき人
私は頑張って涙を止めたけど、それしか言えなかった。


「・・・ごめんな」


これ以上くっつけないぐらいにくっついて、琉ちゃんの顔が私のすぐ隣にある。

いつもは大好きな声なのに…今は悲しさと嬉しさがグルグルと渦を巻いている。


「悲しい思いさせて、ごめんな」


琉ちゃんは私の頭を優しく撫でるけど今の私には何故だがつらい。


琉ちゃんは何も言わず私の足の裏に手を入れて私を持ち上げた。いわゆるお姫様だっこだ。


そしてリビングの扉を開けてソファーに座らされた。



本当に…私、情けないな。
琉ちゃん困らせて…



顔をずっと下にさげていると“コツンッ”と何か頭に当たった。


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