秘密な私の愛しき人
やっぱり…。わかっていたことだけど平然とはいられない。



「俺と小実は大学が同じで付き合っていたんだ。でも気が合わなくなって1年で別れた。だから今は会社の同期なだけで何もないから」



「ぅん……」



琉ちゃんが何もないって言うんだから大丈夫だって信じなちゃいけないのに…心の中の黒いモヤモヤは消えない。



「穂樺…。今、思っていること全部言って。上手く言えなくてもいいから、穂樺の気持ちが知りたい」


琉ちゃんは私の目を見つめる。

私は勇気を振り絞った。


「――怖いの。琉ちゃんが離れていきそうで…。
琉ちゃんと小実さんが付き合っていた過去はもう変えられないから仕方ないっていうことはわかっている。
だけど…」


私は琉ちゃんの服を握った。

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