秘密な私の愛しき人
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「少しは落ち着いたか?」



洸くんは私の顔を覗き込んだ。



あれからまた大泣きしてしまって、やっと少しだけ落ち着いた。


「穂樺。このままじゃ風邪ひくから一旦、家に帰れば?」



そう言われたけど私は怖くて首を横に振った。



あんな状況を見て、あの家には帰りたくないよ。



黙り込んでいる私に洸くんは困って頭をかいた。



「……とりあえず、俺の家に行こうぜ。穂樺の着替えも何着かあると思うしさ」



洸くんは私の腕を引っ張って立たせてくれた。



本当はおばさん達に迷惑をかけたくなかったけど洸くんに連れられて琉ちゃんの実家、洸くんの家に行った。


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