秘密な私の愛しき人
困らせたくなくないのに…でもそれに反して涙が止まらない。


“フワッ”




泣きだして座りこんだ私をおばさんが側にきてくれて優しく撫でてくれた。



「何かつらいことがあったんだよね?大丈夫だよ」



「おばさん―ッ!!」



私はたまらなくなっておばさんに抱きついた。
今日は泣いてばっかりなのに、声をあげて泣いた。胸が痛いよ…



「洸、あんたは部屋にいなさい」



洸くんは、おばさんに言われてリビングから出て行った。



「穂樺ちゃん、何かあった?
……琉のこと?」



そう言われて私の握る手に力が入った。


私は何も言わなかったけど、おばさんにはわかったみたいだ。


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