秘密な私の愛しき人
「大丈夫よ!穂樺ちゃん。私は穂樺ちゃんの味方だから」



おばさんは私の手を握って優しく笑ってくれた。



「あ、ありがとう、ございます」


その言葉が嬉しくて私はまた泣いてしまった。



“ガタッ”


リビングの入り口から音がして見てみると、そこには2階にいるはずの洸くんが立っていた。



「洸…くん?」


私は慌てて涙を拭いた。



「洸、もしかしてずっとそこにいたの?」


おばさんが鋭い目で洸くんを見た。



「……」


洸くんは、おばさんから目を逸らして気まずそうな顔をした。



見てたんだねι



「それよりさ…穂樺どうすんの?」


洸くんは話を逸らした。


「琉のそんなシーン見て家に帰れるわけ?」


< 98 / 231 >

この作品をシェア

pagetop