ちかいのゆびわ
靴を脱いですぐに自分の部屋に入った。『着替えて来る』そう早口で答えてレナ兄から離れた。
━━━バタンッ!!
勢いよく自分の部屋のドアが閉められた。ドアにかけているカレンダーが落ちそうだった。
そんな事じゃなくて
ドキドキした。
あの時のレナ兄の顔が見たくなかった。
━━…そんな泣きそうな顔で私を見つめないで
今にも思いを伝えたくなっちゃうから…。
呼吸が乱れそうになる。
私は壁に沿って崩れ落ちた。