ちかいのゆびわ

あまり人と喋るのが得意じゃないから足早にその子の前を通り過ぎようとしたら

―――グイッ!

『!?』

思いっきり右手から後ろに体重がかかった。

『別になんかじゃないっ!風邪ひくよ!?』

『ほらっタオル!』と意外に勢いよくピンクのタオルを突きつけるもんだから

―…借りてしまった。

正確にはビックリしたんだ。

私に少しでも一生懸命になってくれてる人がいるなんて。

いないよ………。

………レナ兄しか。

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