宙機オデッセイオン01
「いいかしら…」
突然ジェニファは研究資料を手元のファイリングから取り出して
広いキャビンの片隅のジョージと向かい合わせの二人掛けのテーブルチェアの台の上に広げた…


「宿題は完璧のはずよ」

「まあまあ」

「いいから見て」

「今日はビールでもあおってゆっくりしようじゃ」

「私は真剣なのよ」

ジェニファは堰を切ったかのような大声でジョージを威嚇した。

「なるほど…」

ただでさえ彫りの深いジョージの顔がよけい険しさを増した
一気に目に飛び込んできたジェニファの研究資料に
いったん間をおくつもりでいたが
その研究資料の重要さが一行の文から推測できた


これは画期的だ

ジョージは洞察力でそれを理解した

ジョージにとって気の休まる週末は
突然のヒロインの登場によって打ち消された
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