Ｌｏｖｅ　Ｓｔｅｐ
マンションへ向かう雪哉の車の助手席で杏梨はぼんやり窓の外を見ていた。


外はだんだんと薄暗くなってきている。



「杏梨、お腹空いた？」


「少し……」


「どこかで食べていこうか？何が食べたい？」


運転をしながらちらっと杏梨を見る。



「何でもいいの？」


「もちろん」


杏梨を元気付けようと明るい声だ。


「じゃあ……ラーメン」


少し考えてから答えた。


「そんなんでいいのか？」


「うん　ラーメンが食べたい」


「ＯＫ」



途中のラーメン屋さんで空腹を満たすと雪哉のマンションへ向かった。


その頃には雪哉のおかげで杏梨の落ち込んだ気分は回復していた。



鍵を開けて部屋の中へ入る。


初めてこのマンションへ入った時はビックリ、目が真ん丸くなったものだ。


モデルルームのようなインテリア。


広すぎる部屋に大きな窓、そこから東京の夜景が見える絶景。


キッチンは最新式の道具ばかり。


整理整頓された室内。



ゆきちゃんは昔から綺麗好き。


私はというと……物は近くにある方が良いと思っているから何でも出しっぱなしが心地よい。


こんなんで一緒に暮らすなんて大丈夫かなと今から心配。



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