Love Step
* * * * * *
喉の渇きで目が覚めた峻はけだるい身体を起こして階下のキッチンへ降りて行った。
「あら、峻くん いたの」
キッチンで何やら料理をしていた彩が足音に振り返った。
「あぁ、夕方から仕事なんだ」
冷蔵庫を開けてサイダーの缶を取ると勢い良くプルトップを開けた。
「姉貴こそ仕事じゃないのか?」
ゴクゴクと一気に半分ほど飲み干すと言った。
「私も遅くて良いの」
そう言いながら上機嫌に2段の重箱に料理を詰めていく。
「うまそう、何でこんなの作ってんの?」
重箱を覗き込むと、ちらし寿司の酢の香りが峻の空腹を誘う。
「雪哉さんに差し入れようと思って♪」
嬉しそうな笑みを浮かべた。
「……」
峻は飲みかけの缶を持ったまま黙ってキッチンから出ようとした。
「ねぇ?峻くん、杏梨ちゃんと連絡取った?」
背後から心配そうな彩の声。
峻は心の中でため息を吐くと振り返る。
「姉貴、ごめん 協力できない」
「どうしたの?いきなりどうして……?」
突然の弟の言葉に驚いた彩は菜ばしを置いて駆け寄った。
「どうしたの?杏梨ちゃんを気に入っていたんじゃないの?」
その言葉に胸がズキッと痛む。
やっぱり俺は杏梨が好きなのか?
「……杏梨は雪哉さんが好きなんだ 俺がどんなアプローチをしても雪哉さんが相手じゃ敵わないよ」
一口で飲み干した缶をギュッと握りつぶすとゴミ箱へ放り投げる。
「そんなの兄妹の感情よ!恋愛の対象じゃないわ!雪哉さんがあんな小娘を相手にするはずがないもの だから峻は気にせずにどんどん杏梨ちゃんの気持ちに踏み込めば雪哉さんより峻の事が好きになるわ!」
必死になって言う姉から視線を逸らした。
「とにかく振られてもまた会いに行って!」
「姉貴っ!」
「お願いよ!」
「姉貴、出来ないよ……」
喉の渇きで目が覚めた峻はけだるい身体を起こして階下のキッチンへ降りて行った。
「あら、峻くん いたの」
キッチンで何やら料理をしていた彩が足音に振り返った。
「あぁ、夕方から仕事なんだ」
冷蔵庫を開けてサイダーの缶を取ると勢い良くプルトップを開けた。
「姉貴こそ仕事じゃないのか?」
ゴクゴクと一気に半分ほど飲み干すと言った。
「私も遅くて良いの」
そう言いながら上機嫌に2段の重箱に料理を詰めていく。
「うまそう、何でこんなの作ってんの?」
重箱を覗き込むと、ちらし寿司の酢の香りが峻の空腹を誘う。
「雪哉さんに差し入れようと思って♪」
嬉しそうな笑みを浮かべた。
「……」
峻は飲みかけの缶を持ったまま黙ってキッチンから出ようとした。
「ねぇ?峻くん、杏梨ちゃんと連絡取った?」
背後から心配そうな彩の声。
峻は心の中でため息を吐くと振り返る。
「姉貴、ごめん 協力できない」
「どうしたの?いきなりどうして……?」
突然の弟の言葉に驚いた彩は菜ばしを置いて駆け寄った。
「どうしたの?杏梨ちゃんを気に入っていたんじゃないの?」
その言葉に胸がズキッと痛む。
やっぱり俺は杏梨が好きなのか?
「……杏梨は雪哉さんが好きなんだ 俺がどんなアプローチをしても雪哉さんが相手じゃ敵わないよ」
一口で飲み干した缶をギュッと握りつぶすとゴミ箱へ放り投げる。
「そんなの兄妹の感情よ!恋愛の対象じゃないわ!雪哉さんがあんな小娘を相手にするはずがないもの だから峻は気にせずにどんどん杏梨ちゃんの気持ちに踏み込めば雪哉さんより峻の事が好きになるわ!」
必死になって言う姉から視線を逸らした。
「とにかく振られてもまた会いに行って!」
「姉貴っ!」
「お願いよ!」
「姉貴、出来ないよ……」