Love Step
ネイリスト
「じゃあ、行って来るよ」
ゆきちゃんがこれから仕事に出かける。
わたしもゆきちゃんの後を追って玄関に行く。
今日はパスポート申請があるからアルバイトはお休みにしてくれたのだ。
「うん……」
手に持っている紙袋を見ると申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
中身はもちろん、彩さんが持たせてくれたお重箱。
起きた時にはわたしの目に触れることなく中身はきれいに片付けられていた。
元気のない杏梨にふんわり笑みを向け出て行こうとした時、
「……ゆきちゃん」
躊躇(ためら)う声がした。
それから雪哉の背中に軽い衝撃。
杏梨が背中に抱きついたのだ。
「どうした?」
振り返ると真剣な表情の杏梨だ。
「わたし……頑張るからっ ちゃんと……ちゃんと……出来るように……」
それだけ言うと視線を反らしてしまう。
雪哉は杏梨の言いたい事をくみ取った。
そして困った顔してから笑顔になった。
昨日の事がまだ気になっているらしい。
この子は頑張るという意味が分かっているのか……?
ああいう事は自然の成り行きで、2人の気持ちが高まった時にするのが一番なんだ。
真剣に考えている杏梨を見ていると自然と顔がほころんでしまう。
ゆきちゃんがこれから仕事に出かける。
わたしもゆきちゃんの後を追って玄関に行く。
今日はパスポート申請があるからアルバイトはお休みにしてくれたのだ。
「うん……」
手に持っている紙袋を見ると申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
中身はもちろん、彩さんが持たせてくれたお重箱。
起きた時にはわたしの目に触れることなく中身はきれいに片付けられていた。
元気のない杏梨にふんわり笑みを向け出て行こうとした時、
「……ゆきちゃん」
躊躇(ためら)う声がした。
それから雪哉の背中に軽い衝撃。
杏梨が背中に抱きついたのだ。
「どうした?」
振り返ると真剣な表情の杏梨だ。
「わたし……頑張るからっ ちゃんと……ちゃんと……出来るように……」
それだけ言うと視線を反らしてしまう。
雪哉は杏梨の言いたい事をくみ取った。
そして困った顔してから笑顔になった。
昨日の事がまだ気になっているらしい。
この子は頑張るという意味が分かっているのか……?
ああいう事は自然の成り行きで、2人の気持ちが高まった時にするのが一番なんだ。
真剣に考えている杏梨を見ていると自然と顔がほころんでしまう。