Love Step
* * * * * *
新しく出来たネイル専用の個室に初めて入った杏梨は壁を飾る色とりどりのマニキュアの瓶を見て感嘆の声を上げた。
「うわぁ~すごくきれい……」
こんなにたくさんのマニキュアを見るのは生まれて初めてだ。
「姉さん、杏梨 彼女はネイリストの黒田 琴美さん」
真っ白なテーブルの側に立っていた女性は3人が入ってくると近づいてきた。
「はじめまして 黒田です よろしくお願いします」
緊張した面持ちでゆずるに挨拶をしている。
「はじめまして 今日はよろしくお願いします」
ゆずるもにっこり笑顔で挨拶をすると琴美が呆気にとられた顔になる。
「……私、女優さんをこんなに近くで見たのは初めてなんです なんだか緊張してしまって……手が震えそうです」
「あら、女優って言っても今は普通の主婦よ?手が荒れて恥ずかしいくらいなの 何とかボロが出ないようにしてね?」
2人のやり取りを横で聞きながら杏梨はどうしてもきれいなマニキュアの瓶に目が行ってしまう。
琴美はそんな杏梨にゆずるから視線を移した。
この子が……。
琴美はまじまじと斜め前に立っている杏梨を見つめた。
私たち家族の人生を狂わせた少女。
琴美は怒りを表情に出さないように前で組み合わせた手をギュッと握った。
新しく出来たネイル専用の個室に初めて入った杏梨は壁を飾る色とりどりのマニキュアの瓶を見て感嘆の声を上げた。
「うわぁ~すごくきれい……」
こんなにたくさんのマニキュアを見るのは生まれて初めてだ。
「姉さん、杏梨 彼女はネイリストの黒田 琴美さん」
真っ白なテーブルの側に立っていた女性は3人が入ってくると近づいてきた。
「はじめまして 黒田です よろしくお願いします」
緊張した面持ちでゆずるに挨拶をしている。
「はじめまして 今日はよろしくお願いします」
ゆずるもにっこり笑顔で挨拶をすると琴美が呆気にとられた顔になる。
「……私、女優さんをこんなに近くで見たのは初めてなんです なんだか緊張してしまって……手が震えそうです」
「あら、女優って言っても今は普通の主婦よ?手が荒れて恥ずかしいくらいなの 何とかボロが出ないようにしてね?」
2人のやり取りを横で聞きながら杏梨はどうしてもきれいなマニキュアの瓶に目が行ってしまう。
琴美はそんな杏梨にゆずるから視線を移した。
この子が……。
琴美はまじまじと斜め前に立っている杏梨を見つめた。
私たち家族の人生を狂わせた少女。
琴美は怒りを表情に出さないように前で組み合わせた手をギュッと握った。