Love Step
「いや、杏梨とはまだそんな仲じゃないよ……彼女にとって俺はおじさんの域なんだろうけど、杏梨も俺を好きでいてくれる」


「一緒に住んでいるのに清い仲だなんてっ!嘘よっ!私じゃダメなんですか!?」


「彩……」


がっかりしたような顔になった雪哉を見て彩はハッとなった。


「……両想いなんですね」


雪哉から借りたハンカチを目にあてる。



雪哉さんが彼女を好きな事は分かっていた……。

だけど、はっきり雪哉さんの口から聞かされるとショックが大きかった。



「……雪哉さん これからもお友達として会っていただけますか?」


ここでごねてしまったら雪哉さんに会えなくなる。

そうなったら私のこれからの計画が台無しになってしまう。


「彩……」

返事に困っている様子。


「お願いです!雪哉さんの施術が好きですし、相談にものって頂きたいんです」


今まで男性にこんなお願いをした事はない。

私はいつでも男性にちやほやされていた。

これほど好きなった男性は目の前にいる人しかいない。



「雪哉さんっ」


「……もちろん かまわないよ」


恋愛感情がなければ。


彩はホッと安堵した。


良かった、私はまだ貴方の側を離れたくないの……。




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