Love Step

慎重に

キィ……


キッチンでミネラルウォーターを飲んでいて、突然リビングのドアが開く音に驚いた。


急いで見に行くと雪哉がジャケットを脱ぎながら入って来た。


「あれ?お帰りなさいっ!早かったね?」


「ただいま」


杏梨の姿を見て雪哉の視線が停止した。


お風呂上りの肌はピンク色に染まり、キャミソールとホットパンツからすらりとみずみずしい手足が伸びている。


思わずその肌にキスをしたくなる。


「その姿は目に毒だな……」


ボソッと呟いただけだったのだが、杏梨の目が大きく見開かれた。


「な、なんか着てくるね」


ペットボトルをテーブルの上に置いて自分の部屋に向かおうと雪哉に背を向けた。


「杏梨」


背後から長い腕がふわっと杏梨の腰に回った。


「ゆ、ゆきちゃん?」


「杏梨 好きだ……愛している」


すっぽりと俺の腕の中におさまる杏梨が愛おしくて言っていた。


ゆきちゃんの唇を髪の毛に感じる。


そこから熱が徐々に伝わってくるかのように杏梨の顔が赤くなる。


ドクドクと心臓が暴れだす。



「何も言ってくれないの?」


耳元で囁く雪哉。


甘く囁く声に足の力が抜けて行きそう……。



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