Love Step

学校

送ってくれるって言ってもゆきちゃん眠っていないし……。



「いいよ 遅刻して電車で行くから ゆきちゃんは眠ってね」


混雑していない電車ならば乗れる。


「大丈夫、杏梨送ってから眠るから」


「う、うん……」


わたしの事なんか気にしないで眠ってくれると良いのに……。



「迎えの時間は後でメールして 行くから」


「いいの?」


何から何まで申し訳ないと思いつつも行き帰りの時間、ゆきちゃんと一緒にいられると喜んでしまう。


「もちろん 杏梨に何かあったら大変だからね」



* * * * * *



「おはよ~ 香澄ちゃん」


3年A組の教室に入るとすでに来ていた仲の良い日下 香澄(くさか かすみ)の所へ杏梨は行った。


「おはよう 杏梨 今日はご機嫌って感じ?」


雨の日なのにニコニコしている杏梨。


「な、なんでわかっちゃうんだろ……」


「杏梨は分かりやすいから 何があったの?」


中学から杏梨と一緒にいるせいで表情一つで分かってしまう。



まあ……長い付き合いでなくとも杏梨は分かり易い性格なのだけど。


ニコニコの原因は一緒に住んでいる冬木 雪哉のせいだろうな。





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