Love Step
首を長くして待ちに待った午後6時。


2階のオフィスに上がろうとした時、オフィスのドアが開いて雪哉が出てきた。


「ゆきちゃん♪」


「お疲れ、行こうか?」


洗練された所作で階段を降りてくる。


右手には車の鍵が握られている。


「そうだったのね!」


突然、めぐみの声がした。


「雪哉さんとデートだから杏梨ちゃん、ウキウキしていたのね?」


仲の良い兄妹で羨ましいわ~などと言っている。


「あれ?雪哉さん、お帰りですか?」


そこへ遼平がやってきた。


「今日は杏梨ちゃんとデートみたいよ?」


めぐみがすかさず答える。


「杏梨ちゃんとデートかぁ いいな~ 杏梨ちゃん、俺とデートしようよ」


遼平が言うと杏梨は驚いた。


「え……え……?」


「だめだね」


驚いている杏梨の肩にふわっと雪哉の腕が回る。


「遼平なんかと出かけるの、許すと思うか?」


「俺なんかって……酷い扱い……」


「ゆきちゃんっ」


がっかりしたように見える遼平を見て杏梨が慌てた。




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