Love Step

ロリコン?

雪哉の愛車の助手席に座った杏梨はパタパタと手で火照った顔を扇ぐ。


「すぐにエアコン効くから我慢して」


運転席に座った雪哉が言う。


扇いでいるのは、車内が暑いからだと思っているようだ。



意外と鈍感なんだよね……。

みんなの見ている前で腕を回されてドキドキしちゃったからなのに。



「……ゆきちゃん、スタッフのみんなに分かっちゃっても良いの?」


「ん?彼らに何を?」


聞きながらサイドミラーに目をやり、車を発進させる。


何をって……。


「……もう良いよっ」


半分呆れたような言い方に雪哉が口元を緩ませる。


「すねないで、分かっているよ 俺が杏梨を愛しているってことだろう?」


「……うん みんなはわたしの事、ゆきちゃんの妹としか見ていないから」


「ばれてもいいよ 10才も離れている杏梨が大好きだから」


「……ロリコンって思われちゃうかもしれないよ?」



世間にも注目されているゆきちゃんが、わたしみたいな年下の女の子を好きだって知られたら良くないに決まっている。

仕事にも差し支えてしまうかもしれない。



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