Love Step
「ロリコンでもかまわないさ」


真剣な顔で見ている杏梨の頬を指で掴む。


「いひゃいでしょ (痛いでしょ)」


「杏梨はそんなことで悩まないでいい」


そう言ってくれるのは嬉しいけど、考えてみたらやっぱり良くないと思う。


杏梨は大きくかぶりを振った。


「杏梨……」


やれやれと言った表情でバックミラーに目を移し、道路の端に車を停めた。


「言う事を聞かないとここでキスするよ?」


「……っ!な、なに言ってんのっ?」


すぐ横には歩行者がたくさん歩いている。


夕方で涼しくなったのでこの大通りも人通りが多くなったのだ。


真っ赤なベンツだから通る人が見ていくのが分かる。



「だ、だめっ!絶対にダメっ!」



こんな所でキスしたら歩いている人に見られちゃうかもしれないよ。



「だから気にするなって言っただろう?」


そう言いながらわたしの方へ顔を近づけてくる。


杏梨は逃げる為にずるずるとドアの方へ身体を寄せる。


「逃げるな」


端整な顔が近づいてきて……。


「わ、分かったから車早く出してっ!」


「もう時間切れ、キスがしたくなった」


左手を窓に付き、雪哉は逃げようとする唇に唇を重ねた。




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