Love Step
やっと全部を拾い、洗っていると遼平が再びやって来た。


「大丈夫?杏梨ちゃん」


「きゃっ!……あっ……はい 大丈夫です」


突然、声をかけられて驚いたものの、平常心を保ち返事を返す。


「ごめん、そんなに驚かないでよ」


驚いた杏梨を見て苦笑いを浮かべる。


「ご、ごめんなさい……」


「顔色が悪いけど大丈夫?雪哉さんを呼ぼうか?」


その言葉に軽くかぶりを振る。


あ……また目の前がふらつく。


「……大丈夫です」


その時、また別のスタッフがやって来て遼平を呼ぶ。


「あ~ 忙しくてゆっくり話も出来ないな 少し雪哉さんのオフィスで休んでから帰ると良いよ」


おどけた物言いに杏梨はクスッと笑った。


「お疲れ様です お仕事、頑張ってくださいね?」


杏梨は手を止めて遼平を見て言うと、ガッツポーズをしていなくなった。



< 227 / 613 >

この作品をシェア

pagetop