Love Step
「ゆきちゃん……誰だった?」


「いや、出たら切れたよ」


携帯電話をパタンと畳む。


いたずら電話か?


「じゃあ、間違い電話だったんだね」


杏梨は無邪気にそう思った。



~~~♪~~~♪~~~~♪


再び鳴り始める携帯電話に杏梨が不安そうな顔を向けた。


「また間違い電話かな……」


杏梨がボソッと呟く。


雪哉はもう一度出てみた。


だが、やはり5秒ほどして切られた。


やはりいたずら電話か……。


「ゆきちゃん、怖い……」


杏梨の瞳に恐怖の色を見て、雪哉は肩を抱き寄せた。


「大丈夫だよ、だけど番号を買えた方がいいな」


抱き寄せていない片方の手で携帯電話の電源を落とした。



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