Love Step
お昼の時間になってわたしはゆきちゃんのオフィスへ行った。


「入って」


入り口に姿を見せた杏梨に雪哉は立ち上がると言った。


部屋の中へ入ると良い匂いがした。


「良い匂い……」


鼻をクンクンさせる。


「食欲出てきた?」


「お腹がなりそう」


テーブルの上には中華粥のセットが用意されていた。


「まだ胃の調子が悪いだろう?薬膳がゆならたくさん食べられると思ってね」


「ありがとう」


杏梨は雪哉に近づくと抱き付いた。



* * * * * *



峻がブラブラとリビングに入ると、彩が電話で話をしていた。


背を向けていたので峻が来たことに気づかない。


「……分かっている それくらい覚悟はしているわ いいからやって!」



姉貴、何の話をしているんだ?

覚悟しているって?


ただならぬ彩の言葉に、峻は眉根を寄せた。


「親友の貴方だから頼めるの よろしくね」


それだけ言うと彩は電話を切った。





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