Ｌｏｖｅ　Ｓｔｅｐ
「峻、彩に何かあったの？」


状況が分からない真緒は話に割って入った。


「あぁ、真緒さん、先月俺が運転して事故った記事が今日発売の雑誌に出たんだ　事実を捻じ曲げられた記事で姉貴、それを知ってから連絡がつかなくなったんだ」


「事実を捻じ曲げられた？」


「運転していたのは姉貴で、被害者をほったらかしにしてマネージャーに任せて仕事へ行ったと……仕事に行けって言ったのは俺なんだけど」


峻自信も説明をしていて訳がわからなくなりそうだ。


「なんだか、複雑ね？運転していたのは峻、彩は同乗していたけれど仕事に行ったのね？」


「ええ」


2人の会話を杏梨は俯いて聞いていた。


膝の上に両手を組んだ手は汗ばんでいた。


「それが、記事には彩が運転をしていた事になって、マネジャーに任せて仕事へ行った」


「そうです」


峻が頷いた。


「運転していて被害者を放って、仕事へ出かけたのならまずいわね……彩の清純なイメージにダメージを与えるわ　どうして今頃そんな記事が出たのかしら……」


「杏梨、姉貴に何か言われたのか？」



杏梨を見ていると姉貴の名前が出るたびにビクビクしている気がする。



「……わたしが……記者に言ったって……」


「はぁ？」


峻があんぐりと口を開けた。


「ねえ　ねえ？聞いて良いかしら？話が読めないんだけど・・・杏梨ちゃんが何か関係しているの？」


真緒が聞く。


「カリスマ美容師の雪哉さん、知っていますよね？」


「ええ」


彩がモデルを始めた頃からずっと片思いをしていた相手。


「杏梨は雪哉さんの義理の妹で……彼の恋人で……俺が事故った被害者」


「あらま……」


今度は真緒があんぐりと口を開けた。


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