Love Step
* * * * *



かすかな寝息をたててゆきちゃんは眠っている。



腕枕をしていてくれる右手。



左手はわたしの腰に置かれている。



すぐに眠ってしまったところを見ると、本当に眠れなかったみたいだ。



それはそうだよね……。



サラサラの髪が目にかかっていて、思わず払ってあげたくなる。



でもね、動けないの。



動くとゆきちゃんが目を覚ましてしまいそうだから。



一人で眠った方がぐっすり眠れるのに……。



起きたら……言わなくちゃ……。



秀麗な雪哉の寝顔を見ているうちに、寝不足の杏梨もいつしか眠りに落ちていた。




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