Love Step
* * * * * 



見間違いではなかった。


峻が見たのは杏梨だった。


ぼんやりと歩いているうちに原宿の方まで来てしまっていたのだ。



* * * * * *



「雪哉さん、来てくれてありがとう」



ベッドの上に起き上がった彩はにっこり笑った。



「朝食、食べなかったって?食べないと良くならない」



渋い顔をした雪哉が彩をたしなめる。



「心配してくれてありがとう 雪哉さんの顔を見たら食欲が出て来たみたい」



「昼食はしっかり食べるんだよ?いいね?」



「雪哉さんに叱られるのって、なんだか嬉しい……」



「彩……」


嬉しそうな顔を見ると何も言えなくなる雪哉だった。




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