Love Step
「俺がやる」



峻はトレーを持ち上げると、近づいてきた店員に渡した。



「買ってきてやるよ 何を頼んだんだ?」



いつもと違う親切な峻を見て梨沙は下唇を噛んだ。



「い、いらないから」



そのまま出て行こうとした。



峻の連れがいたからだ。



デート中である事は間違いない。



「言えよ でないと適当に買ってくるぞ」



腕を掴まれた杏梨は仕方なくその場に立ち止った。



「ァ、アイスカフェオレ……」



「OK~ 梨沙は何にする?」



「え~ あたしは~ アイス抹茶ラテが良いな~」



梨沙はすぐに笑顔を作り峻に言った。



「OK」



峻は数人並んでいるレジに向かった。



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