Love Step
隣に立つ背の高いきれいな女の子を見て居心地の悪さを感じた杏梨は俯いていた。



「――目障りなんだけど」



俯いていた杏梨の耳に聞こえてきた「目障り」の言葉。



杏梨は顔を上げて背の高い梨沙と目を合わせた。



「峻の周りをうろつくのはやめてくれない?」



「うろつくなんて……」



「今、峻はあたしの彼氏なの ちょこちょこ現れて邪魔しないでよ」



アーモンド形の目で睨まれる。



「……ごめんなさい デートの邪魔を――」



「良い子ぶらないでよっ!計算高い女ね!」



酷い言葉を浴びせられて全身が凍りつくようだった。



杏梨はいたたまれなくなり、梨沙から離れると店を出た。





トレーに紙のカップを3つ乗せた峻が梨沙の所へ戻ってきた。



「杏梨は?トイレか?」



戻って来ると見えない杏梨の姿を探す。



「え?あ!なんか思い出したって突然行っちゃったのぉ」



「はぁ?」



なんなんだ?思い出したことって……。


1つ余ったじゃないか。


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