Love Step
峻の言葉に一呼吸置いてから彩が言う。
「苦しむ人間て、あの子?」
「あの子って言うなよ」
「いいでしょ!あの子は私から雪哉さんを取ったのよ!」
「そうじゃないだろ?」
彩が激しくかぶりを振る。
「やめてよっ!お願いだから誰にも言わないでっ!」
缶コーヒーを2本手にして戻ってきた雪哉はドアの前で立ち止った。
開けようとした時、彩の怒鳴る声が聞こえたのだ。
誰にも言わないで?
どういう意味なんだ?
ドアを開けるのをためらっていると、彩の声が聞こえてきた。
「お願いよ!峻、女優生命をかけて晴美に頼んだのよ?雪哉さんと結婚できるのなら女優なんていつでも辞められるの!」
彩の言葉に雪哉は愕然となった。
晴美と言う名前に見覚えがあった。
杏梨のバッグの中に入っていた名刺の名前。
彼女は彩の知り合いなのか?
「今は引き止められていても、雪哉さんは杏梨の元へ戻るよ?」
「帰って!峻、帰ってよ!」
「……分かったよ 帰るから ……良く考えた方が良いよ」
姉の恋を応援してあげたいが、杏梨を苦しめたくなかった。
追い詰められた小動物ようなあいつを見れば、誰だって守ってやりたくなるに違いない……。
「苦しむ人間て、あの子?」
「あの子って言うなよ」
「いいでしょ!あの子は私から雪哉さんを取ったのよ!」
「そうじゃないだろ?」
彩が激しくかぶりを振る。
「やめてよっ!お願いだから誰にも言わないでっ!」
缶コーヒーを2本手にして戻ってきた雪哉はドアの前で立ち止った。
開けようとした時、彩の怒鳴る声が聞こえたのだ。
誰にも言わないで?
どういう意味なんだ?
ドアを開けるのをためらっていると、彩の声が聞こえてきた。
「お願いよ!峻、女優生命をかけて晴美に頼んだのよ?雪哉さんと結婚できるのなら女優なんていつでも辞められるの!」
彩の言葉に雪哉は愕然となった。
晴美と言う名前に見覚えがあった。
杏梨のバッグの中に入っていた名刺の名前。
彼女は彩の知り合いなのか?
「今は引き止められていても、雪哉さんは杏梨の元へ戻るよ?」
「帰って!峻、帰ってよ!」
「……分かったよ 帰るから ……良く考えた方が良いよ」
姉の恋を応援してあげたいが、杏梨を苦しめたくなかった。
追い詰められた小動物ようなあいつを見れば、誰だって守ってやりたくなるに違いない……。