Love Step
めぐみさんの言うとおり、サロンには琴美さんだけだった。



「いらっしゃい 杏梨ちゃん 良く電話してくれたわね 心配だったのよ?」



琴美は笑みを浮かべながら、温かく杏梨を迎えた。



「突然電話をしてすみません……」



「いいのよ ちょっと前にお客様は帰ったの 突発的なお客様以外は予約が入っていないから大丈夫よ」



琴美は部屋の隅にある冷蔵庫からペットボトルのサイダーを出して杏梨に渡した。



「さあ、話して?」



琴美に促されて杏梨は話し始めた。



* * * * * *


「……じゃあ、すべて彼女の自作自演だったってことなのね?」



「たぶん……峻くんはそう言ってくれています……わたし、どうしたら良いのか分からなくて……こんなに追い詰めてしまったなんて……だからゆきちゃんと別れようと思ったりして……でもなかなか良い出せなくて……」



「杏梨ちゃんが身を引くなんてばかげているわ!直接、彩さんに言えば良いわ」



「え?」



思いがけない言葉にポカンとなる。



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