Love Step
トントン……。



ノック音の後に、中から「どうぞ」と言う声が聞こえてきた。



杏梨は静かにドアを開けた。



「杏梨ちゃん!」



ドアに立つ杏梨を見て彩は驚いた。



「彩さん……お加減はいかがですか……?」



ベッドの上に起き上がっていた彩を見て伺う。



見るところ、唇はピンク色で、頬の血色も悪くない。



お化粧をしていないのに、見惚れてしまいそうな美しさだ。



「まあ、きれいなお花、私に?」


「あ、はい」


杏梨はベッドに近づき、彩に花束を渡した。



「ありがとう……良く来てくれたわ 杏梨ちゃんに謝らなければと思っていたの 貴方が悪いとは言え、叩いたりしてごめんなさいね」



え……?わたしが悪い……?


本当に彩さんはそう思っているの?




「ぁ、彩さんっ!わたしは悪くないです どうしてそんな事が言えるんですか?お願いですから小細工をしてゆきちゃんを取らないで下さいっ!」



彩の言葉が引き金になって、杏梨は心の中をすべて吐き出してしまった。


そんな杏梨に彩は驚き唖然となった。



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