Love Step
「ぁ、杏梨ちゃん?な、何を言っているのかわからないわ」


彩の言葉に今度は杏梨が唖然となった。



「……彩さん」



「杏梨ちゃん、変に勘ぐるのはやめてちょうだい あなたは雪哉さんと年が離れ過ぎているわ 一緒にいても兄妹にしか見られないでしょう?雪哉さんに相応しいのは私だわ」



「そ、そんな事ないですっ!」



杏梨は大きくかぶりを振った。



頭を振りすぎて眩暈がしそうになった。



目蓋をギュッと閉じてから開けると、杏梨の口から息を飲む音が漏れた。



「!」



彩は泣いていて頬に涙が伝わっていた。



「ぁ……やさん……」



「お願い……私……雪哉さんでないと……」



彩の涙を見て胸の詰まる思いがした。



そうだ……彩さんは女優業を失う覚悟で……。



その時、ドアが開いた。


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