Love Step
机の上に顔を伏せた時、インターホンが鳴り、ドアが開く音がした。



顔を即座に上げた杏梨に緊張が走った。



立ち上がり、ドアをじっと見つめる。



「杏梨?」



ドアの向こうで雪哉の声がした。



「は、はいっ!」


素っ頓狂な返事をすると、ドアが開いた。



「今、いいかい?リビングで話をしよう」


話と聞いて杏梨の心臓は雪哉に聞こえそうなほど暴れ始めた。


今の杏梨は雪哉と話をするのが怖かった。



自分が何を言ってしまうのか、ゆきちゃんが何を言うのかもわからない……。



雪哉の後を付いて行った杏梨はソファーに座るように言われた。



そして雪哉はキッチンの中へ入って行った。



少しして冷えた麦茶が目の前に置かれる。



嫌だ、何も話したくないっ!



杏梨は両手をギュッと握り、立ち上がった。



「杏梨?」



「い、嫌だ 話なんてしたくないっ」



「どうしたんだ?彩に何か言われたのか?」



おびえたような瞳を向けた杏梨は今にも部屋を飛び出しそうだ。



雪哉は立ち上がった。



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