Love Step
姑息な手段を使う女は嫌いだ。
だけど、実の弟が言うことじゃないよな……。
自分が酷く冷たい人間に思える。
「お前が身を引くことはないさ 雪哉さんはお前を愛しているんだし、お前もだろ?苦しめたくないから身を引くなんてばかげたこと考えるなよ」
「峻くん……」
どこかで音楽が鳴った。
「あ、携帯 ちょっと待ってて」
峻は立ち上がると玄関に置きっぱなしだった携帯電話を取りに行った。
峻が携帯電話を手にする前に音楽は鳴り止んでしまった。
着信を見ると話題の人からだ。
どうして俺にかけてくるんだ?
首をかしげながらリビングに戻った。
「雪哉さんからだった 出ようとしたら切れたけど」
その時、再び音楽が鳴った。
杏梨は息を飲み、不安そうな表情で峻を見た。
「で、出ちゃだめっ!」
「なんでだよ 逃げなくても良いだろ?」
杏梨が首を振っている間に峻は電話に出てしまった。
「もしもし?」
『峻くん?雪哉だけど 杏梨から連絡はなかったかい?』
少し焦ったような、それでいてイラついているような声だ。
「杏梨ならここにいますよ」
『ここ?』
「自宅です……今、慰めていた所です」
雪哉が心配するような言葉をわざと峻は言った。
だけど、実の弟が言うことじゃないよな……。
自分が酷く冷たい人間に思える。
「お前が身を引くことはないさ 雪哉さんはお前を愛しているんだし、お前もだろ?苦しめたくないから身を引くなんてばかげたこと考えるなよ」
「峻くん……」
どこかで音楽が鳴った。
「あ、携帯 ちょっと待ってて」
峻は立ち上がると玄関に置きっぱなしだった携帯電話を取りに行った。
峻が携帯電話を手にする前に音楽は鳴り止んでしまった。
着信を見ると話題の人からだ。
どうして俺にかけてくるんだ?
首をかしげながらリビングに戻った。
「雪哉さんからだった 出ようとしたら切れたけど」
その時、再び音楽が鳴った。
杏梨は息を飲み、不安そうな表情で峻を見た。
「で、出ちゃだめっ!」
「なんでだよ 逃げなくても良いだろ?」
杏梨が首を振っている間に峻は電話に出てしまった。
「もしもし?」
『峻くん?雪哉だけど 杏梨から連絡はなかったかい?』
少し焦ったような、それでいてイラついているような声だ。
「杏梨ならここにいますよ」
『ここ?』
「自宅です……今、慰めていた所です」
雪哉が心配するような言葉をわざと峻は言った。