Love Step
「なんだよ?」



「あのね……?峻くんがいいって言っちゃったの……」



「ふ~ん、それだけ?そのくらいで殺すなんて言葉出てこないと思うけれど?」



雪哉さんのあの焦り様は訳があるに違いない。



「……もう、聞かないで……」



杏梨の眉がハの字になったのを見て峻は肩をすくめた。



その時、インターホンが鳴った。



「雪哉さんだ それにしては早過ぎる……」


峻が立ち上がった直後、玄関のドアがバタンと大きな音をたてた。



「もう!峻くん、いないの!?」


苛立つ彩の声が聞こえた。


その声に、杏梨ははじかれたように立ち上がった。



「姉貴?」



峻が玄関に行くと、彩はヒールを脱いでスリッパを履いた所だった。



「彼女でも連れ込んでいるの?」


玄関に女物の靴を見たようだ。



「どうしたんだよ?退院したのか?」


「ええ、病院なんてつまらない どうしてそんな所に突っ立っているのよ 邪魔よ?」


リビングへとつながるドアの前に立ちふさがるようにして立つ峻を押し退けて彩はドアを開けた。



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