Love Step
杏梨は背伸びをすると、雪哉の両肩に手を置き唇にキスをした。



「それは俺を誘惑しているの?」



「そうだよ ゆきちゃんに決心して欲しいから……」



雪哉は笑って杏梨を引き寄せると、顔を寄せた。



「あっ!ちょっと待って!」



キスをしようとすると寸止めされる。



「どうした?」



「シャワーを……」



「一緒に入る?」



嫌だと断られるのは分かっているが、愛しい子にちょっかいをだしたくなる。



「ゆ、ゆきちゃんっ!」



「分かっているよ 今はやめておこう 先に入ってくるといい」



「うん」



にっこり笑った杏梨は雪哉から離れると浴室へ行った。



少し低めのお湯が決めの細かい肌にあたる。



身体を洗う手は震えている。


だめだよ 決めたんだから。


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