Love Step
ゆきちゃんに会う前にドレスが汚れたら困るもんね。
降りる時はもっと気をつけなくちゃ。
ドレスが汚れていないと喜ぶ杏梨を見て琴美はバカらしいと視線を反らした。
そんなに気にしなくても大丈夫よ そのドレスはもう二度と着られなくなるんだから。
「杏梨ちゃん、早くしないとオーナーを待たせてしまうわよ?」
「いけないっ」
杏梨は慎重に階段を降り始めたその時、下から勢い良く若い男が上がってきた。
まっすぐ杏梨の方へと上がってくる。
顔を上げているので、自分が見えているはずだろうからぶつかる事はないだろうと頭の片隅で杏梨は思った。
そして若い男はぶつからないようにずれてくれたようだった。
そう思った時、身体半分に強い衝撃を受けた。
その男が杏梨にぶつかったのだ。
「きゃっ!」
強い衝撃で足が浮きバランスを失った身体はあと10段以上もある階段から転げ落ちた。
あっという間の出来事だった。
痛みを感じながら落ちていく杏梨は地面に身体が着いた時、意識は暗闇の中へ引き込まれていった。
「きゃーーーーっ!」
「女の子が落ちたぞー!」
「早く救急車を呼べ!」
「触らない方がいい!」
辺りは騒然となった。
杏梨にぶつかった若い男は琴美とすれ違う時、ニヤリ笑って人ごみの中へ消えた。
杏梨の周りに人だかりが出来た。
琴美は人垣をかきわけて血だらけで意識のない杏梨へ駆け寄ると、気が狂ったように泣き叫んだ。
「杏梨ちゃん!杏梨ちゃん!早く!救急車をっ!」
琴美は取り乱して近くの男性にすがった。
降りる時はもっと気をつけなくちゃ。
ドレスが汚れていないと喜ぶ杏梨を見て琴美はバカらしいと視線を反らした。
そんなに気にしなくても大丈夫よ そのドレスはもう二度と着られなくなるんだから。
「杏梨ちゃん、早くしないとオーナーを待たせてしまうわよ?」
「いけないっ」
杏梨は慎重に階段を降り始めたその時、下から勢い良く若い男が上がってきた。
まっすぐ杏梨の方へと上がってくる。
顔を上げているので、自分が見えているはずだろうからぶつかる事はないだろうと頭の片隅で杏梨は思った。
そして若い男はぶつからないようにずれてくれたようだった。
そう思った時、身体半分に強い衝撃を受けた。
その男が杏梨にぶつかったのだ。
「きゃっ!」
強い衝撃で足が浮きバランスを失った身体はあと10段以上もある階段から転げ落ちた。
あっという間の出来事だった。
痛みを感じながら落ちていく杏梨は地面に身体が着いた時、意識は暗闇の中へ引き込まれていった。
「きゃーーーーっ!」
「女の子が落ちたぞー!」
「早く救急車を呼べ!」
「触らない方がいい!」
辺りは騒然となった。
杏梨にぶつかった若い男は琴美とすれ違う時、ニヤリ笑って人ごみの中へ消えた。
杏梨の周りに人だかりが出来た。
琴美は人垣をかきわけて血だらけで意識のない杏梨へ駆け寄ると、気が狂ったように泣き叫んだ。
「杏梨ちゃん!杏梨ちゃん!早く!救急車をっ!」
琴美は取り乱して近くの男性にすがった。