Love Step
* * * * * *



一刻も早く病院へ着きたい。



杏梨……。



どんな状態なのかまったく分からない。



雪哉の胸に不安が広がる。



車内のエアコンは涼しいくらいなのにこめかみに汗が伝った。



動揺のせいで運転が荒い。



無事に着いたのは奇跡とも思えるほど車を飛ばした。




救急治療室へと通じる廊下にめぐみと琴美がいた。



琴美は顔を伏せて肩を震わせている。



どうやら泣いているようだ。



足音にめぐみが雪哉に気づいた。



「雪哉さんっ!」



その声に琴美が顔を上げた。



そしてふらつく足で雪哉に近づく。



「私が一緒だったのに!ごめんなさい!申し訳ありません!」



「話は後で聞きます」



雪哉は救急治療室のドアをノックした。



すぐに中から看護師が現れた。



「杏梨は?彼女の義兄です」



「今はMRIの検査中です もうしばらくお待ち下さい」



「命に別状はないのですか!?」



「まだ検査中なのでなんとも言えないんです お待ち下さい」



年配の看護師は申し訳なさそうな表情でドアを閉めた。



閉められたドアを見つめた雪哉の顔が歪んだ。



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