Love Step
* * * * * *
雪哉が入院手続きをしている間に杏梨は病室へ移された。
病室に行くと杏梨は眠っていた。
雪哉は力なくベッド側のイスに座った。
精神的に疲れたせいだ。
「本当に驚かせすぎだ……」
指が擦りむいた頬を避け撫でる。
ふと、棚の上に畳まれた黒いドレスが目に入る。
立ち上がるとそのドレスを手にとってみた。
素敵なドレスだったが、汚れと所々に避けた箇所が見られる。
もうこのドレスは着られないな……。
ドレスアップしてくれた事は嬉しかった。
こんなことになるのなら強引にでも迎えに行けば良かったと後悔してやまない。
トントン
雪哉が返事をすると、入って来たのはゆずるだった。
大きな荷物を抱えている。
自販機で買ってきた缶コーヒーを姉に渡すと、自分もプルトップを開けゴクゴクと飲んだ。
「ほんと、ビックリしたわ」
ゆずるもコーヒーを飲んでやっと落ち着けた気がした。
電話をもらった時は卒倒しそうだった。
「まだ、安心できないと医者は言っていた」
「コンクリートに体を打ちつけたんですもの、安心は出来ないわよね」
ゆずるは泊まるつもりで来たようだが、雪哉は大丈夫だから帰るように言った。
「でも……」
「今日は俺がいる 2人もいる必要はないだろ?明日の午前中に来てもらえると助かるよ」
「わかったわ 明日は土曜日で健太郎は休みだから陸を見ててもらえるし」
明日の午前中に来ると約束して帰って行った。
雪哉が入院手続きをしている間に杏梨は病室へ移された。
病室に行くと杏梨は眠っていた。
雪哉は力なくベッド側のイスに座った。
精神的に疲れたせいだ。
「本当に驚かせすぎだ……」
指が擦りむいた頬を避け撫でる。
ふと、棚の上に畳まれた黒いドレスが目に入る。
立ち上がるとそのドレスを手にとってみた。
素敵なドレスだったが、汚れと所々に避けた箇所が見られる。
もうこのドレスは着られないな……。
ドレスアップしてくれた事は嬉しかった。
こんなことになるのなら強引にでも迎えに行けば良かったと後悔してやまない。
トントン
雪哉が返事をすると、入って来たのはゆずるだった。
大きな荷物を抱えている。
自販機で買ってきた缶コーヒーを姉に渡すと、自分もプルトップを開けゴクゴクと飲んだ。
「ほんと、ビックリしたわ」
ゆずるもコーヒーを飲んでやっと落ち着けた気がした。
電話をもらった時は卒倒しそうだった。
「まだ、安心できないと医者は言っていた」
「コンクリートに体を打ちつけたんですもの、安心は出来ないわよね」
ゆずるは泊まるつもりで来たようだが、雪哉は大丈夫だから帰るように言った。
「でも……」
「今日は俺がいる 2人もいる必要はないだろ?明日の午前中に来てもらえると助かるよ」
「わかったわ 明日は土曜日で健太郎は休みだから陸を見ててもらえるし」
明日の午前中に来ると約束して帰って行った。