Ｌｏｖｅ　Ｓｔｅｐ
「そうね、でも私たちが日本へ来られたわ」



アメリカに行った時はホームシックにかかってしまったが、今は向こうの生活を楽しむほどになっていた。



それでも日本に帰ってこられて嬉しい。



「ママ、幸せそう」



若々しい母親を見てポツリ呟く。



ママ、ゆずるさん、わたしが並んだら３姉妹に見えるかな？


うーん、ママとゆずるさんはきれい系だけど、わたしは違うか……。



「杏梨も幸せそうに見えるんだけど？」



「えっ……」


突然言われて何と答えてよいのか困る。



「雪哉くんのおかげよね？」


昔から杏梨の恋心を知っている貴美香はひそかに応援している１人だ。



もちろん、春樹やゆずるも応援している。



「……うん　ママ、眠くなっちゃった……起きてから……話すね……」


逃げているのではなく、本当に眠くなったのだ。



「ええ、　おやすみなさい」


すーっと寝息が聞こえてきて、再び微笑んだ貴美香だった。


< 372 / 613 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop