Love Step
琴美サイド



まったくあの子がいつもちやほやされている事に腹が立つ!


本当ににくったらしい子だわ!



琴美が店を出たのは杏梨が遼平に髪を施術してもらっている頃。



横目で見ながら他のスタッフに挨拶をし、店を出た。



「ヘアーモデルですって?ほんと、バカらしい」



大通りを歩きながらバッグの中から携帯電話をごそごそと探す。



目当ての物はなかなか手に当たらない。



更に苛立つ。



やっと指先が携帯電話に触れて取り出した。



~~~~♪



『琴美~ なんだ早いな?』



かけた相手はすぐに出た。



あきらだ。



「出てきてよ 飲みたいの」



声は明らかに不機嫌であきらはやれやれと思った。



『わかったよ 店の近くまで行くよ』



「だめよ!店の近くはだめ!途中で会いましょう」



店の近くで会うのは危険だ。



杏梨とあきらが万が一会いでもしたら計画が水の泡となる。



『意外と小心(しょうしん)なんだな』



電話の向こうでげらげら笑う声。



更に琴美は苛立ち、携帯電話を投げつけたくるのを我慢し、待ち合わせの場所を指定して琴美は電話を切った。



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