Love Step
弟のせいで逆恨みか……。
雪哉は立ち上がるとオフィスを出た。
受付の前を通ってネイルサロンへ向かう。
ガラス窓から琴美が接客中であることが分かる。
客を前にしてにこやかに笑っている。
壁に寄りかかり、ガラス越しに接客中の琴美を観察した。
スタッフたちには高飛車な態度を取る。
お客様には愛想がいい。
杏梨には良い姉のように接する。
どれが本当の黒田 琴美なんだ?
琴美は客の指に施術しながら雪哉が見ていることに気づいた。
なにか感づいたのかしら……?
ばれてしまってはあの子に復讐が出来なくなる。
ばれる前に……。
「この色とってもきれいですね 気に入りました さすが、フランスで修行された方ですね」
客が指に施されたマリンブルーのネイルを見て言う。
夏らしくハイビスカスの花が指先で咲いている。
「ありがとうございます とてもきれいに仕上がりましたわ」
にこやかに客にお礼を言って窓ガラスを見ると雪哉の姿は消えていた。
いない事にホッと肩を撫で下ろした。
あの目で見つめられるとすべてを見透かされているような気持ちになってしまう。
私は健次の復讐をしなければならないの。
雪哉は立ち上がるとオフィスを出た。
受付の前を通ってネイルサロンへ向かう。
ガラス窓から琴美が接客中であることが分かる。
客を前にしてにこやかに笑っている。
壁に寄りかかり、ガラス越しに接客中の琴美を観察した。
スタッフたちには高飛車な態度を取る。
お客様には愛想がいい。
杏梨には良い姉のように接する。
どれが本当の黒田 琴美なんだ?
琴美は客の指に施術しながら雪哉が見ていることに気づいた。
なにか感づいたのかしら……?
ばれてしまってはあの子に復讐が出来なくなる。
ばれる前に……。
「この色とってもきれいですね 気に入りました さすが、フランスで修行された方ですね」
客が指に施されたマリンブルーのネイルを見て言う。
夏らしくハイビスカスの花が指先で咲いている。
「ありがとうございます とてもきれいに仕上がりましたわ」
にこやかに客にお礼を言って窓ガラスを見ると雪哉の姿は消えていた。
いない事にホッと肩を撫で下ろした。
あの目で見つめられるとすべてを見透かされているような気持ちになってしまう。
私は健次の復讐をしなければならないの。