Love Step
* * * * * *



雪哉も眠れなかった。



パソコンに向かい仕事をしているとあれから3時間経っていた。



軽い頭痛を覚えて眉間を指でもむ。



イスから立ち上がると杏梨の部屋へ向かう。



ドアの隙間からは光は見えないが、かすかにすすり泣く声が聞こえてきた。



ずっと泣いているのか?




その声を聞くとせつなくなる。



雪哉はドアの横の壁を背にして座った。




* * * * * *



「……寝ちゃったんだ」



杏梨はベッドに伏せていた顔を上げた。



時計を見ると朝になっていた。



眠れないと思ったのに、気持ちを固めたらいつの間にか眠ってしまっていた。



座りながら変な姿勢で眠っていたせいで身体がぎしぎしと痛む。



泣きすぎて目も痛み、朝日が目にしみる。



ゆきちゃんに心配かけちゃったな……。



昨日の態度を後悔しながら立ち上がると部屋を出た。



部屋を出てギクッと足を止めた。



「ゆきちゃん!!!」



壁に寄りかかって座った雪哉が眠っていたのだ。



杏梨の声に雪哉は目を開けた。



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