Love Step
「婦警さんが来てくれて良かったね」



背筋正しい女性が行ってしまうと香澄が口を開いた。



「うん びっくりした 突然座るんだもん」



「杏梨、大丈夫?あいつら、ちっともカッコよくないのに勘違いしてるよ 誰でも付いて行くと思ってんだからっ!」



怒りを吐き捨てるように言うと買ってきたコーラを口に入るだけ一気に入れる。



「香澄ちゃん……」



香澄の怒りにたじたじだ。



気持ちを落ち着かせようと杏梨もジンジャーエールを一口飲む。



少し経つと店の中が空いてきた。



みんな花火を見に行ったのだろう。



それでも数組の浴衣のカップルは話に夢中なようで残っている。



視線を店内から出入り口の方に向けると、ファーストフード店の自動ドアが開いてちょうど雪哉が入って来た。



「ゆきちゃんっ!こっち♪」



立ち上がり自由になる左手を大きく振る。



雪哉も気づき軽く手を上げた。



「ゆきちゃん、お疲れ様です」



「こんばんは 雪哉さん」



香澄が立ち上がりペコッと頭を下げる。



「こんばんは 香澄ちゃん いつもありがとうね ところで、ボーイフレンドは?」



「ええっと、もうすぐ来るはずです」



出入り口の方へ視線を動かす。



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