Love Step
杏梨のもやもやした気分は晴れない。
ゆきちゃんは大人だからわたしがあんな態度をとっても余裕なんだろうな……。
自分が悪いのは分かっているから余計に落ち込む。
大きなため息を吐くと机の上にうなだれる。
わたしは何が言いたいんだろう。
……なにがイラついたの?
ゆきちゃんが小さな子供に接するみたいにしたから?
……ううん 本当は違う。
何も出来ない自分が情けないからだ。
琴美さんの事から逃げちゃいけないと思う。
杏梨は顔を上げると大きく自分に言い聞かせるように頷いた。
* * * * * *
「雪哉さん、今日からネイリストの榎本 麻奈さんが入りました」
少し遅れて来た雪哉にめぐみが報告した。
「そう、黒田さんの反応は?」
新しいネイリストが入る事は伝えてあったが「いつ」とは言っていなかったので驚いたのではないだろうか。
「少し驚いていたようですけど問題ないと思います」
「フォローを頼むよ」
「わかりました」
どこか上の空に見える雪哉にめぐみは頷いた。
「今日の雪哉さんの予定です」
小脇に抱えていたファイルを差し出す。
「ありがとう」
1時間から2時間単位の間隔で客の名前が入っている。
ゆきちゃんは大人だからわたしがあんな態度をとっても余裕なんだろうな……。
自分が悪いのは分かっているから余計に落ち込む。
大きなため息を吐くと机の上にうなだれる。
わたしは何が言いたいんだろう。
……なにがイラついたの?
ゆきちゃんが小さな子供に接するみたいにしたから?
……ううん 本当は違う。
何も出来ない自分が情けないからだ。
琴美さんの事から逃げちゃいけないと思う。
杏梨は顔を上げると大きく自分に言い聞かせるように頷いた。
* * * * * *
「雪哉さん、今日からネイリストの榎本 麻奈さんが入りました」
少し遅れて来た雪哉にめぐみが報告した。
「そう、黒田さんの反応は?」
新しいネイリストが入る事は伝えてあったが「いつ」とは言っていなかったので驚いたのではないだろうか。
「少し驚いていたようですけど問題ないと思います」
「フォローを頼むよ」
「わかりました」
どこか上の空に見える雪哉にめぐみは頷いた。
「今日の雪哉さんの予定です」
小脇に抱えていたファイルを差し出す。
「ありがとう」
1時間から2時間単位の間隔で客の名前が入っている。